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●保護者の声
ホストマザー横山公子さんに聞く
横山将人くん(オーストラリア・メルボルンのモナッシュ高校に留学)のお母様
横山 公子さん 2000年4月より息子将人(マサト)くんがオーストラリアに留学、現在モナッシュ高校の2年生在学中。ご自身もホストの立場に立ってみたいと留学生を受け入れられました。
Q. ホストマザーをされるようになったきっかけは?
A. 友人から頼まれたのがきっかけです。息子の将人が2年前からオーストラリアのビクトリア州にあるモナッシュ高校に留学し、あちらでホストファミリーにお世話になっています。息子からはいろいろとホストファミリーの様子を聞き、そこでどんな思いをしているかは聞いていました。で、今度は逆に私が学生を受け入れるというホストの立場にたって考えてみたいと思っていましたので、話があった時にすぐにお受けしました。我が家は上の子が既に独立して家を出ていましたし、2番目の将人は留学中で、家は主人と私のふたりきり。のんびりとした生活から緊張感のある生活に切り替える良いチャンスだとも思いました。
Q. ホストマザーをされてどのくらいたちますか?
A. 7カ月になります。
Q. 始めて学生さんを迎える時はどんなお気持ちでしたか?
A. 大変緊張して迎えました。主人が「留学生が来たら我が家が日本の平均的な家庭と思うに違いないから、日本の家庭の代表という気持ちで迎えなければいけないね」と言うので、私はそのつもりになりました。
 家に来たのはアメリカのミネソタ出身の21歳の男子学生Rくんと言います。彼は早稲田大学に日本語を勉強しに9ヶ月の予定でやってきたんです。小学生の時ボーイスカウトでちょっと日本にきたことがあって、それ以来日本に来たいと思っていたようです。お寺や歌舞伎や相撲などの日本文化に興味をもっている、日本が大好きな青年です。
 で、最初はお互いに緊張して、はりきっていたせいか、良い関係で過ごせました。
Q. その後何か問題がありましたか?
A. ええ。最初は主人と私で彼を鎌倉やその他いろいろな所に案内しました。でも、そうそう週末ごとに出かけるわけにはいきません。息子の自転車を使っていいから、自分で好きなところに行くように言ったんです。でも1ヶ月過ぎた頃には彼は土曜日曜もべったり家にいて、どこにも出かけなくなってしまったんです。彼は今は家族の一員ですが、本当の家族ではない他人です。一日どこにも出かけないで家にいられると私たちも疲れてしまうんですね。で、せめてテレビを見る時は別の部屋に行ってほしいと思って「テレビは2台あるから居間ではない方の部屋で見てほしい」といいましたら、「僕はこっちで見ちゃいけないんですか?」っていう答え。丁度息子がオーストラリアから一時帰国していましたので、息子を交えて話し合いました。
「あなたは何のために日本にきたの?」
「日本語を勉強するため」
「日本語を勉強するのなら、日本に来なくてもできる筈でしょ。せっかく高いお金を払って日本にきてるんだから、じっと家にいるのではなく、もっと他の所に行ったり、自転車に乗っていろいろな所を探索してみたらどうかしら」
 そうしたら彼は納得したんですね。それからはうって変わったように行動派になり、今日はどこに行った、あそこに行ってきたと私に報告してくれるようになり、顔も輝いてきました。
Q. 生活習慣が違うことでのトラブルはありませんでしたか?
A. ありました。テーブルの上に足をのっけたり、長椅子に寝転んでテレビを見ているのを見るのはいやでしたね。それを最初は注意できなかったんです。でも、そのうち注意してあげた方が親切なのではないか、と思うようになって、それからは率直に言うようになりました。寝ながらテレビを見るとか、よっぽどのことがないかぎり注意できなかったのができるようになったきっかけは、息子が帰省して以前にはしなかった家事をするようになったのを見たからです。部屋の掃除や布団干しを言われなくともやっているのをみて、可愛い子には旅をさせよ、というのは本当だなあと思いました。
 以前、息子がお世話になっているホストファミリーで 「お風呂は3分以内と言われた」と聞いた時には、うるさく言われて可愛そうだ、と私は思っていました。でも、預ける側からこちらがホストになるという逆の立場に立ってみて、親以外の立場の人から注意を受けたからこそ、息子は水を大切にする事や、家族の一員として家事を自分の仕事としてこなす事を覚え、それが身についたのだ、ということが分かりました。注意する方がしないよりも親切なのですね。
Q. 息子さんはホストファミリーでどんな経験をされたのですか?
A. 将人はホストファミリーを4回変わっているんです。4回目は転校にともなっての変更ですが、3回はいろいろ問題があってのことです。最初の家ではまだ英語がわからないのに細かい事まで言うお母さんで、何かあると1時間も注意される、という所だったんです。行き届きすぎるというんでしょうか。着る服まで口出しされて、まいってしまったようです。今では息子は愛情をもっていろいろ注意してくれたんだ、と思うと言っていますが、あの頃はそれがわからず、カウンセラーさんにも相談して2件目に変わったんです。ところがそこは前と正反対。離婚した夫と娘のことなどでホストマザーはいつもいらいらしていて留学生の息子にちっとも関心がない。で、あるトラブルを機に3件目の家に変わったんです。そこはまあまあだったようですが、最後の1年は少し環境を変えて勉強するため、転校をしました。で、4件目の家。今度はうまくいっていると言っています。
Q. いろいろ息子さんから話を聞かれていて、御自分がホストをなさる時には、留学生にとって良いホストでありたい、と思われたんですね。ホストファミリーをされて良かった点は?
A. 以前は主人とふたりだけの食事の仕度はいつも定番で、代わり映えがしなかったのです。が、留学生を迎えてから、料理のレパートリーが増えました。また掃除も念をいれてするようになりました。「いつ人がきてもいい家になったね」と家族にも言われます。外出する時にも、Rくんが急にお腹が痛いといって帰ってくるかもしれないからと思うと、ゴミ箱の中まで掃除をして出掛けます。そして、私も、いつでも家の中が片付いているのは気持ちがいい、と思うようになりました。 
 料理に関しては、Rくんが「お母さんの作ったちらしずしはすごくおいしい!」と言ってくれたので、「おいしい」という言葉ひとつにしても、具体的に「これがおいしい」、と言われるのと、挨拶がわりのように「おいしい」と言われるのでは全然嬉しさがちがうものだなあ、と気付きました。
 また、家族としてひとつ屋根の下に住めば、顔色ひとつで相手の気分が違ってきますから、お互いできる限りいやな顔をしないというのは、とても大切なことだなと思うようになりました。
 ともあれ、ホストを引き受けてから私の生活は、ぐんと張り合いのある楽しいものになったことは確かです。日々の料理を工夫する楽しみもさることながら、それを受け止め喜んでくれる人がいるということはとても幸せなことです。
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